第一章 眠りから覚めて目を開くまで 眠りから覚めて目を開くまでの時間は、ごく短い。二秒ないだろう。 目を覚ましたぼくは、自分が寝ている場所の香りにあらためて気づき、 いつもの自分の場所ではないところに自分が眠っていたことを認識しなおした。 ぼくは、目を開いた。天井が見えた。見なれない天井のたたずまいに、 部屋の香りはよく似合っていた。香りというよりも、匂いだろうか。 ベッドに違和感があった。なれた自分のベッドではなかった。 あおむけになっていた体を横にむけつつ、ぼくは上体を起こした。 ベッドの縁にすわり、両足をフロアに降ろした。板張りのフロアの感触が、 足の裏に新鮮だった。 青空文庫 片岡義男 時差のないふたつの島 より引用
第二章 目を覚ましたぼくは 眠りから覚めて目を開くまでの時間は、ごく短い。二秒ないだろう。 目を覚ましたぼくは、自分が寝ている場所の香りにあらためて気づき、 いつもの自分の場所ではないところに自分が眠っていたことを認識しなおした。 ぼくは、目を開いた。天井が見えた。見なれない天井のたたずまいに、 部屋の香りはよく似合っていた。香りというよりも、匂いだろうか。 ベッドに違和感があった。なれた自分のベッドではなかった。 あおむけになっていた体を横にむけつつ、ぼくは上体を起こした。 ベッドの縁にすわり、両足をフロアに降ろした。板張りのフロアの感触が、 足の裏に新鮮だった。 青空文庫 片岡義男 時差のないふたつの島 より引用
第三章 ぼくは上体を起こした 眠りから覚めて目を開くまでの時間は、ごく短い。二秒ないだろう。 目を覚ましたぼくは、自分が寝ている場所の香りにあらためて気づき、 いつもの自分の場所ではないところに自分が眠っていたことを認識しなおした。 ぼくは、目を開いた。天井が見えた。見なれない天井のたたずまいに、 部屋の香りはよく似合っていた。香りというよりも、匂いだろうか。 ベッドに違和感があった。なれた自分のベッドではなかった。 あおむけになっていた体を横にむけつつ、ぼくは上体を起こした。 ベッドの縁にすわり、両足をフロアに降ろした。板張りのフロアの感触が、 足の裏に新鮮だった。 青空文庫 片岡義男 時差のないふたつの島 より引用